旬の食材や適切な保存方法をご紹介vol.9【夏秋トマト】

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こんにちは。松根です。
夏らしい気温になって来ましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は夏野菜の代表、「トマト」です。
トマトは大正頃から日本で食べられるようになり、
今では年間を通して最も食べられるお野菜となりました。
年間を通して店頭でトマトを見ない日はないですよね。
そんなトマトも季節によって味の特徴に違いがあるのをご存じでしょうか?


●トマトの栽培について
さて、年間を通して美味しく食べられるトマトですが、
ざっくりと2種類の時期(本当はもう少し細かいですが今回は大きく2つで説明)
に分けて栽培されます。
一つは夏に定植され、冬から春にかけて収穫されるもの、
もう一つは冬に定植され初夏から秋にかけて収穫されるそれこそ
今から旬を迎える夏秋トマトです。


●夏秋トマトの特徴
よく、冬から春のトマトは味が濃くて美味しい!
という話をさせて頂くのですが正直、
味の濃さで行くと春のトマトの方が味の濃い物が多い傾向にあると感じています。
というのも、トマトは寒さが最も苦手ですが夏の蒸し暑さも苦手。
植物の多くは昼間の日光が当たる時に光合成を行い体に多くの栄養を作り蓄えます。
春は夜が涼しいのでトマトもゆっくりと休む事ができ、
昼間作り出した栄養を沢山蓄える事ができます。
ですが夏場は夜も蒸し暑く、
昼間に沢山作り出した栄養を自分の体温を下げる為に
使ってしまい春ほどの栄養を蓄えるのが難しくなります。
栽培地域により異なる物もありますが、
夏場のトマトはさっぱりとした味になる傾向にあります。

そしたら夏のトマトって美味しくないの??
と思われがちですが、そういう訳ではないのです。
私個人的には食べたいアイスの傾向によく似ていると思っています。
寒い時期は味の濃い濃厚なアイスが食べたくなりますが、
夏の暑い時期はシャーベットのようなさっぱりした物が食べたくなりますよね?
それと同様、
夏のさっぱり味は気温が上がってくるからこそ美味しく感じる夏の気温にあった味なのです。

また、夏秋トマトは、冬場の栽培と異なり栽培している施設の
加温が必要ないため暖房費がかからなかったり、
全体的に気温が高い為、冬に比べて生産量が増えます。
それにより結果的にお値打ちでの流通となり、
夏ならではの価格で沢山購入することが出来るのです。
どの植物にも割と共通すると感じていますが、
同じ植物でも栽培の時期により私達の体に合った味になってくれるんですね。


●トマトの保存について
寒すぎるのは苦手なので冷蔵庫に入れる際は
必ず気温が下がりすぎない野菜室等へ、
ビニールやラップ等で覆って乾燥を防いであげましょう。
そして、ポイントはヘタを下向きに!です。
トマトのような果菜類の多くはヘタの所で呼吸を行います。
呼吸をするという事は自らの栄養を使うので、
ちょっと可哀想ですがヘタの部分を塞ぎ栄養をあまり使わないようにしてあげましょう。
また、加熱調理に使用前提であれば、そのまま冷凍保存も可能です。


●トマトの季節
トマトも一年を通して時期により味や表情が変わって行きます。
暑い時には暑さに合った味に、寒い時は寒さに合った味に。
年間を通して口にする機会の多いトマトで季節を感じてみては如何でしょうか?
また、これから、夏秋トマトは夏の旬を迎え、夏トマトが美味しい季節になり、
涼しくなると秋の味に変わって行きます。
(個人的には夏の終わりから秋にかけてのトマトもお勧め)

これからが美味しい夏秋トマト、是非楽しんで下さいね!!